制作記録
ひとりコンテストの相手はどう強くなっているか
ひとりコンテストの相手の強さ段階を、デッキ構成からキャラクター構成へ作り直した開発中の経緯を振り返ります。
MIRAMODEの「ひとりコンテスト」(モンスター面では「ひとり対戦」)には、相手の強さを選べる4つの段階があります。開発中、この強さの作り方は一度大きく見直されました。ここでは、その経緯を開発記録から振り返ります。
4つの強さの段階
入口の画面では、コスメ面で「今日の相手」、モンスター面で「挑む陣」という見出しから、次の4段階を選びます。
| コスメ面 | モンスター面 |
|---|---|
| はじめての席 | 前哨の陣 |
| いつもの席 | 常連の陣 |
| 気合の入った席 | 手練の陣 |
| 本気の席 | 皆伝の陣 |
当初の設計: デッキの中身で強さを表す
当初は、この4段階を「相手が持つデッキの枚数と、レアなカードの枠数」で表現する設計でした。段階が上がるほどデッキ枚数を絞り、レアなカードの枠を増やしていました。レアなカードのうち上位のもの(ssr)は条件に関係なく確実に加点し、下位のもの(sr)はシーンの条件と噛み合ったときだけ加点します。レアの枠を増やすほど、NPCが加点を得て上振れる頻度が上がる、という考え方でした。
実測でわかったこと
ところが、開発時点(2026年8月9日)の実測で、デッキ枚数もレアなカードの枠数も、人間側の1位率にほとんど影響しないことが分かりました。相手のデッキだけを段階ごとに差し替えて比べたところ、人間側の1位率の差はどの組み合わせでも1ポイント程度に収まりました。
一方で、実際に大きな差を生んでいたのは「どのキャラクターが相手として座るか」でした。4人で対戦した場合(400試合、同順位がなく各席が同条件なら1人あたりの1位率の基準は25%)の、キャラクターごとの単独1位率は次のとおりです。
| 相手のキャラクター | 単独1位率 |
|---|---|
| マモル | 54.7% |
| フラリ | 29.5% |
| テッサ | 27.5% |
| ヒナ | 26.1% |
| アキナ | 22.1% |
| イチカ | 20.8% |
| ルウ | 12.0% |
もっとも高いマモルともっとも低いルウの間には、43ポイントもの差がありました。この結果を受けて、相手の強さはデッキの中身ではなく、「どのキャラクターを相手に選ぶか」で作り直されました。
数値の出典と再現できる範囲
上表は src/engine/npc/table.ts に残る2026年8月9日のコメント(4人卓・n=400・単独1位率)を転載した開発記録です。2026年9月13日に確認したソースはコミット 3e8bfdd1 ですが、これは確認対象の版であって、測定時の版ではありません。
記録からは、400が全試合数なのかキャラクターごとの参加試合数なのか、各キャラクターの分母、同順位を集計から除いた方法、乱数seedの一覧、当時の実行環境を特定できませんでした。したがって、この表から現在の勝率や統計的な差を算出することはできません。「単独1位」という名称だけで同順位の処理を補完しないようにしています。
別に残る scripts/npcTierWinRate.mjs は、Vite経由で本体のTypeScriptを読み、人間役にスターターデッキ12枚を設定し、棚の先頭を取る方針とシーン評価を優先する方針を比較します。tier-0 から始まるseedを使い、完走試合数を分母、rank === 1 の試合数を分子にします。この判定は同率1位も数えるため、上表の「単独1位率」と同じ測定とは扱えません。
再測定する場合は対象コミット・実行環境・試合数・方針・失敗試合数・同順位の扱いを結果と一緒に保存する必要があります。ここでは過去の数値を再現したとは主張せず、編成を変えた判断の記録として扱います。
マモルが強い理由
マモルが突出して強いのは、カードの構成ではなく、買い物の方針によるものです。マモルは、そのシーンの採点そのものが最大になるようにアイテムを選ぶ、唯一のキャラクターです。他の6人は、それぞれの好み(好きなテーマカラー、流行、季節感など)を基準にアイテムを選びます。採点を直接狙って動くマモルだけが、結果として高い勝率になっていました。
「はじめての席」の組み直し
この見直しの過程で、「はじめての席」の構成にも問題が見つかりました。当初、初心者向けのはずの「はじめての席」にマモルが含まれていたため、人間側の1位率が「はじめての席」20.5%に対して「いつもの席」28.5%と、本来やさしいはずの段階のほうが勝ちにくいという逆転が起きていました。
これを解消するため、「はじめての席」の相手からマモルが外され、代わりにアキナが加えられました。アキナは発色というわかりやすい基準でアイテムを選ぶキャラクターで、テーマカラーを基準に選ぶイチカと合わせて、初めてのプレイヤーにも方針が読み取りやすい組み合わせになっています。
現在の組み方(確認できた範囲)
現在の4段階は、それぞれ次のキャラクターから相手が選ばれます。
- はじめての席: イチカとアキナの2人が固定で選ばれます。
- いつもの席: マモルを除く6人(イチカ、ルウ、フラリ、アキナ、テッサ、ヒナ)の中から3人が選ばれます。対戦ごとに異なる組み合わせになります。
- 気合の入った席: マモル、フラリ、テッサ、ヒナの4人の中から3人が選ばれます。
- 本気の席: マモル、フラリ、テッサの3人が固定で選ばれます。
デッキ枚数とレア枠の段階差は確認対象のソースにも残っています。勝敗への影響が小さかったという記述は、上記の過去の測定条件に限る記録です。
なお、この記事で紹介した1位率などの数値は、いずれも開発中(2026年8月9日時点)に計測されたものです。実際の公開版での体感とは異なる場合があります。
ひとりコンテストの基本的な流れはMIRAMODE詳細ページでも紹介しています。
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